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サブリース契約とは?トラブルを防ぐために知っておくべき知識・仕組みを徹底解説

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サブリースを検討されている方で、以下のような悩みはありませんか?

「安定した家賃収入を得たいが、サブリース契約のリスクが気になる」
「サブリースのメリット・デメリットがよくわからない」
「サブリース会社の選び方や注意点を知りたい」

サブリース契約は賃貸経営の選択肢の一つで、一定の家賃収入が保証される一方で、トラブルに巻き込まれるリスクもあります。

この記事では、サブリース契約の基本的な仕組みや特徴、メリットとデメリットなどを詳しく解説します。

トラブルを回避し、賃貸管理会社と納得のいく契約を結ぶためにも、サブリース契約を検討中の方はぜひ最後までご覧ください。

目次

サブリース契約とは?

サブリース契約とは?

サブリース契約とは、不動産オーナーとサブリース会社(賃貸管理会社)の間で結ばれる賃貸借契約を言います。

サブリース契約の基本的な仕組みは以下のとおりです。

  • 不動産オーナーがサブリース会社に物件を一括して貸し出す(マスターリース契約)
  • サブリース会社が入居者を募集し、物件を転貸する(サブリース契約)

サブリース契約の大きな特徴は、空室の有無に関わらず一定の家賃収入がオーナーに保証される点です。通常、満室時の80〜90%程度の家賃がオーナーに支払われます。

また、入居者募集や家賃回収、クレーム対応、メンテナンスなどの管理業務のすべてをサブリース会社が担当するため、オーナーは手間なく賃貸経営を行えるのも魅力です。

契約期間は一般的に長期(10年以上)に設定される場合が多く、定期的(通常2年ごと)に賃料の見直しが行われる場合があります。

サブリースを利用する2つのメリット

サブリースを利用する2つのメリット

サブリース契約のメリットには、主に以下の2点が挙げられます。

  • 一定の家賃収入が保証される
  • 賃貸管理業務を一任できる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

一定の家賃収入が保証される

サブリース契約は、安定した家賃収入を得られるのがメリットです。特に不動産投資初心者には、安定収入は魅力的に見えるでしょう。

サブリース契約の収入面では、以下のようなメリットがあります。

  • 空室や滞納リスクに関係なく、毎月一定の家賃収入が保証される
  • 通常、満室時の80〜90%程度の家賃がオーナーに支払われる
  • 収入が安定するため、中長期的な資金計画が立てやすくなる
  • 景気変動や季節要因の影響を受けにくい

賃貸経営には空室リスクや家賃滞納リスクがつきものですが、サブリースではそれらのリスクから解放されます。

そのため、不動産投資の初心者や、安定性を最優先したいオーナーには大きなメリットです。

また、サブリース契約なら、たとえ景気が悪化して空室が増えても、一定の家賃収入を得られます。学生の多い物件でも、春の卒業シーズンの空室リスクを気にする必要がありません。

このように、外部環境の変化に左右されにくい点は、サブリースならではの強みです。

賃貸管理業務を一任できる

煩雑な賃貸管理業務から解放されるのも、サブリース契約のメリットです。特に賃貸経営の経験が浅いオーナーはよりメリットを感じられるでしょう。

サブリース契約では、以下のような管理業務のすべてを不動産会社に任せられます。

  • 入居者募集や入居審査
  • 家賃の集金や督促
  • 入居者からのクレーム対応
  • 建物の維持管理やメンテナンス
  • 退去時の清掃や原状回復

このため、オーナーは管理業務をする必要がなくなり、本業に専念できます。緊急のトラブルにも24時間365日体制で対応してくれるため、オーナーの負担は大幅に軽減されます。

また、サブリース会社の知見を活かして、より効果的な設備投資の提案や、入居者目線に立った物件価値の向上も期待できます。

さらに、定期的な清掃やメンテナンスで物件の競争力維持も可能です。

不動産の専門知識が乏しくても、賃貸管理会社がプロの視点で管理を代行してくれます。

サブリースを利用する3つのデメリット

サブリースを利用する3つのデメリット

サブリース契約のデメリットには主に以下の3点が挙げられます。

  • 直接契約より収入が減少する可能性がある
  • 物件の管理に関する制限がある
  • 解約が認められない可能性がある

それぞれ詳しく見ていきましょう。

直接契約より収入が減少する可能性がある

サブリース契約は、直接契約と比べて、オーナーの収入が減少する可能性が高くなります。

主な理由は以下のとおりです。

  • サブリース会社へ家賃の10〜20%程度の管理手数料を支払う必要がある
  • オーナーに保証される賃料は、通常満室時の80〜90%程度に設定される
  • 礼金や更新料などの収入は、サブリース会社に帰属するケースが多い
  • 定期的な賃料見直しで、当初の契約賃料から減額されるケースが多い

例えば、満室時の家賃収入が月100万円の物件の場合、サブリース契約の保証家賃は80〜90万円です。

そして、家賃収入から管理手数料も差し引かれるため、オーナーの手取りは70〜80万円になってしまいます。

また、サブリース会社が入居者から得る家賃収入が増えても、オーナーへの分配は契約で取り決めた金額のままであるケースも少なくありません。

このように、サブリース契約ではオーナーの収入が制限される側面があります。

物件の管理に関する制限がある

サブリース契約には、物件の管理に関する自由度が制限されるのもデメリットです。

具体的には、以下のような制限があります。

  • オーナーが入居者を選択する権利がない
  • 物件のリフォームや設備更新に制限がある
  • 賃料の設定をオーナーの判断で自由に行えない
  • 物件の用途変更が制限される
  • 物件の売却が難しくなる可能性がある

サブリース契約を結ぶと、入居者の選定から、リフォーム、賃料設定に至るまでサブリース会社の管理下なので、オーナーの意向が反映されにくい状態です。

例えば、入居者の選定は完全にサブリース会社に委ねられるため、仮に問題のある入居者がいても、オーナーは直接対処ができません。

さらに、物件の用途変更や売却を検討する際にも、「サブリース契約を引き継ぐ条件で売却先を探す必要がある」など、オーナーの選択肢は狭まってしまいます。

このように、サブリースを導入すると、オーナーの物件管理の自由度は制限されます。

解約が認められない可能性がある

サブリース契約の解約の難しさもデメリットです。

理由は以下のとおりです。

  • 契約期間中の中途解約は、借地借家法により認められない可能性が高い
  • 正当事由がなければ解約は認められず、立ち退き料の支払いを求められる可能性がある
  • 仮に解約が認められても、6ヵ月以上前の予告と高額な違約金の支払いが必要となるケースがある

サブリース契約では、サブリース会社は借地借家法で借主の権利が保護されています。このため、契約期間中は正当な理由がない限り、オーナーからの一方的な契約解除は困難です。

また、仮に双方の合意のもとで解約が認められても、6ヵ月以上前の予告が必要なケースもあります。

中途解約の違約金も、数ヵ月分の家賃相当額を請求されるケースが少なくありません。

このため、一旦サブリース契約を結んでしまうと、条件に不満があっても簡単に解約できないのが、サブリース契約のデメリットです。

サブリースに関するトラブル事例

サブリースに関するトラブル事例

サブリース契約をめぐっては、さまざまなトラブル事例が報告されています。特に注目を集めたトラブル事例が、「かぼちゃの馬車事件」です。

かぼちゃの馬車事件では、スマートデイズ社が「かぼちゃの馬車」のブランド名で女性専用シェアハウスを投資家に販売します。

しかし実態は、同社が投資家の資産状況を偽って銀行から不正に高額融資を引き出す、サブリース契約を悪用した詐欺的なスキームでした。

スマートデイズ社の破綻で、多くの投資家がサブリース料の支払い停止に直面し、高額なローンを抱えたまま、物件の管理を丸ごと引き受けざるを得ない事態に陥りました。

また、同様の被害はスルガ銀行でも発生します。投資用不動産向けの不適切融資で、多数の投資家が多額の債務を負う結果となりました。

参考:スルガ銀行株式会社に対する行政処分について

上記の事例のような、サブリース契約を悪用した違法・脱法的なスキームには細心の注意が必要です。

以下の記事では、サブリース物件を購入する際の注意点を詳しく解説しています。サブリースを検討中の方は、ぜひご一読ください。

サブリース物件を購入する際の5つの注意点

サブリース契約に向いている2つのケース

サブリース契約に向いている2つのケース

サブリース契約が向いているケースには、主に以下の2つが挙げられます。

  • 本業が忙しく賃貸経営に時間をかけられない
  • 中規模以上の物件を所有している

それぞれ詳しく見ていきましょう。

本業が忙しく賃貸経営に時間をかけられない

サブリース契約は、本業の傍ら不動産投資を行うサラリーマンオーナーに適しています。

休日返上で物件の清掃やメンテナンスに駆り出されたり、深夜の入居者トラブルに対応したりなど、現代のビジネスパーソンには物件管理の手間は大きな負担です。

しかしサブリース契約なら、入居者募集から家賃回収、クレーム対応、メンテナンスまであらゆる管理業務をサブリース会社に丸投げできます。

賃貸経営の経験が浅くても、いきなりトラブル対応に追われる心配がないため、不動産投資初心者でも安心して始められます。

中規模以上の物件を所有している

サブリース契約は、中規模以上、特に大規模な物件の所有者にもメリットが大きい契約形態です。

1棟まるごと、あるいは複数棟をサブリース契約で一括委託すると、オーナーの管理負担は大幅に軽減されます。

また、各部屋の入居者対応や家賃回収を一元管理できるため、管理コストを大きく削減できるのも強みです。

大規模物件の管理には高度な専門性が求められますが、サブリースなら、中規模以上の物件管理のノウハウを持つプロの管理会社にすべてお任せできます。

さらに、サブリース会社との連携でスケールメリットを活かした効率的な運営が可能です。その結果、物件の収益性向上も期待できます。

サブリース契約に向いていない2つのケース

サブリース契約に向いていない2つのケース

一方、サブリース契約には不向きなケースもあります。特に以下の2つが挙げられます。

  • 短期間で利益を出したい
  • 自ら積極的に経営管理したい

それぞれ詳しく見ていきましょう。

短期間で利益を出したい

サブリース契約は、短期的な利益を求めるオーナーには適していません。

そもそもサブリース契約のほとんどは、賃貸経営の安定性向上が主な目的です。空室リスクや家賃滞納リスクをヘッジする代わりに、高い収益性は期待できません。

サブリース会社への報酬を差し引くと、むしろ利益率は低くなる傾向です。

仮に、現在高い入居率を誇る人気物件でも、サブリース契約を結んでしまえば、収益力を十分に活かしきれない可能性があります。

短期的に利益を最大化したいのなら、自主管理や一部管理委託の方が適しているかもしれません。

市況を見極めながら、柔軟に賃料設定や入居者選定を行うと、より高い収益を狙えます。

また、サブリース契約は一般的に長期契約のため、短期的な利益追求と相性がよいとは言えません。

高い収益性を求めるなら、自主管理でのきめ細やかな運営か、あるいは柔軟性の確保がしやすい一部管理委託が有効です。

自ら積極的に経営管理したい

サブリース契約は、物件の経営管理に積極的に関与したいオーナーにも不向きです。

前述のとおり、サブリース契約ではオーナーの物件管理の自由度が制限されます。自ら理想とする経営を実践したいオーナーには大きなストレスになるはずです。

入居者の選定は重要事項ですが、サブリース契約下では、入居者選定の権限がサブリース会社に委ねられてしまいます。

また、リフォーム案件なども、オーナー単独では決定できません。サブリース会社との協議が必要で、臨機応変な物件の性能向上を図れないのも痛手です。

さらに、賃料設定に関しても、サブリース会社との取り決めに縛られてしまいます。例えば、周辺相場が上昇しても、すぐには賃上げできない場合があります。

このため、自ら理想とする経営を追求したいと願うオーナーには、サブリースは馴染みません。

物件の可能性を最大限引き出すには、自主管理か一部管理委託が適しています。

サブリース契約で信頼できる不動産会社を探すための3つのポイント

サブリース契約で信頼できる不動産会社を探すための3つのポイント

サブリース契約に踏み切る場合、信頼できる不動産会社の選定が重要です。

トラブルを未然に防ぐためにも、以下3つのポイントを意識してください。

  • 財務状況の健全性を確認する
  • 実績とノウハウを確認する
  • 契約内容の透明性を確認する

それぞれ詳しく見ていきましょう。

財務状況の健全性を確認する

サブリース会社の財務状況は、安定的な契約継続に直結する重要な要素です。会社の財務が悪化すれば、サブリース料の支払いが滞るリスクも高まります。

財務の健全性を見極めるためには、以下のような手順を踏みましょう。

  1. 直近の財務諸表を入手し、貸借対照表や損益計算書、キャッシュフロー計算書を精査する
  2. 自己資本比率や流動比率など、安全性を測る指標を重点的にチェックする
  3. 特に自己資本比率は50%以上、流動比率は150%以上が望ましい
  4. 直近数期の売上高や経常利益の推移を見て、安定的に利益を上げているかを確認する
  5. 営業キャッシュフローがプラスなのを確認し、本業での資金創出力を見極める

加えて、対象企業が上場企業であれば、外部の専門家からの監査を受けているか、監査報告書に重大な指摘事項がないかもチェックしておくとよいでしょう。

外形的な数字だけでなく、ビジネスモデルの将来性にも目を向けるのが大切です。

実績とノウハウを確認する

サブリース会社の実績やノウハウも、重要なチェックポイントです。

特に以下のような点を確認しましょう。

  • 取り扱い物件数と管理戸数の実績を確認し、一定の規模があるかを見極める
  • 対象物件のエリアでの管理実績の有無を確認し、地域の賃貸需要や相場への理解度をチェックする
  • 管理物件の平均入居率を確認し、安定的な集客力の有無を見極める
  • 入居者募集から、家賃回収、トラブル対応、退去時の原状回復まで、一連の業務プロセスを具体的に説明してもらう
  • 24時間の入居者サポート体制の有無を確認し、トラブル発生時の対応力をチェックする
  • 大規模修繕など、物件の将来的な競争力を高めるための提案力の有無を確認する

加えて、業界紙やWebでの評判、各種アワードの受賞歴なども参考にするとよいです。

また、宅地建物取引士や賃貸不動産経営管理士など、不動産関連の有資格者が在籍しているかも確認しておきましょう。

契約内容の透明性を確認する

サブリース会社との契約内容は、トラブル防止の観点から細部まで確認が必要です。曖昧な部分を残さず、双方の権利義務関係を明確にしておきましょう。

チェックすべきポイントは以下のとおりです。

  • 契約書のすべての条項に関して、具体的かつ明瞭に記載されていることを確認する
  • 特にサブリース料の変動要因に関しては、その基準が客観的に規定されているのを確認する
  • 契約期間と中途解約時の違約金の有無、金額を確認し、長期の拘束に対するリスクを把握する
  • 修繕費用など、想定外の費用負担が生じないよう、負担区分を明確化する
  • 契約締結前に、重要事項説明書が交付され、十分な説明があることを確認する

加えて、トラブル発生時の解決プロセスに関しても確認が必要です。

オーナーとサブリース会社との間で認識齟齬が生じた際、円滑な協議を可能にする仕組みが用意されていると安心できます。

以下の記事で、サブリースの悪徳業者の特徴や騙されないポイントなどを詳しく解説しています。

サブリース契約での悪徳業者を見極める知識が身につくので、興味のある方はぜひご覧ください。

サブリースにおける悪徳業者の特徴とは?悪質な不動産会社に騙されないためのポイントを徹底解説

ブリースと転貸の違いはなんですか?

ブリースと転貸の違いはなんですか?

サブリースと転貸(転貸借)は、似た契約形態ながら、いくつかの重要な違いがあります。

主な違いは以下のとおりです。

項目サブリース転貸
定義と目的不動産会社が物件を一括で借り上げ、入居者に転貸する。オーナーに安定した賃料収入を提供する。賃借人が借りた物件の一部または全部を第三者に貸し出す。余剰スペースの有効活用や収益化が目的。
契約形態オーナーと不動産会社の間で「マスターリース契約」を締結。不動産会社と入居者の間で「サブリース契約」を締結する。オーナーと賃借人の間で賃貸借契約を締結する。賃借人と転借人の間で転貸借契約を締結する。
リスクサブリース会社が空室リスクや滞納リスクを負う。オーナーのリスクは限定的。転貸人である賃借人が、空室リスクや滞納リスクを負う。オーナーのリスクは高い。

サブリースの主な目的が、オーナーの賃貸収入の安定化にあるのに対し、転貸は余剰スペースの有効活用や、収益の捻出が主な目的です。

また、サブリースは不動産会社が介在するため、物件の管理水準は比較的高いです。

転貸は個人間の契約が基本で、物件の管理は転貸人の力量に委ねられます。

サブリースと転貸の特性を理解した上で、ニーズに合った手法を選択していきましょう。

サブリース契約でトラブルが発生する前に専門家や弁護士に相談しましょう!

サブリース契約でトラブルが発生する前に専門家や弁護士に相談しましょう!

サブリース契約にはメリットとデメリット、さまざまなリスクが存在します。単に「オーナーの手間を省けるから」と、安易に契約を結ぶのは避けなければなりません。

適切な物件選定や信頼できるパートナー選び、契約内容の入念な精査などの準備を怠れば、サブリースはトラブルの温床にもなりかねません。

また、サブリース契約のメリットとリスクを見極めるには、専門家のアドバイスを参考にするのがおすすめです。

曖昧な部分を残さず、納得のいく契約を意識すると、長期的な資産運用の成功につなげられます。

不動産の専門家や弁護士など、第三者の視点を交えて、慎重にサブリース契約を検討するようにしてみてください。

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