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投資信託を始めるときに重要なのが、分配金の扱いです。
分配金を受け取るべきか再投資すべきかで、悩んでしまう人も少なくありません。結論から言うと基本的には投資信託を始める方の多くが将来のための資産形成期だと思いますので分配金に関しては受け取らない方法がおすすめです。ではその理由について言及していきます。
投資信託とは株式や債券など複数の金融商品をパッケージ化したもので、「ファンド」や「投信」とも呼ばれます。
株式投資には、ある程度まとまった資金が必要です。
一方投資信託では、多くの投資家から集めた資金を運用するため、一人ひとりは少額からでも投資できます。
一括投資を行うのではなく最近ではドルコスト平均法を用いた投資タイミングの分散を行う投資手法によって
投資初心者の方でも安心して投資を行うことが可能になってきています。
運用はファンドマネージャーと言われるプロが行い、一定期間ごとに運用成果が分配されます。これが「分配金」です。
分配金は、あらかじめ決められたルールに則って支払われます。
ルールは、投資信託ごとに異なります。分配金が支払われるタイミングを決算と呼びますが、毎月決算、半年決算、1年決算などさまざまです。
支払い金額は毎回定額のものや、決算時の利益に応じて変動するものなどがあります。
中には、解約や売却の際にまとめて分配金を支払うタイプの投資信託もあります。
分配金には「普通分配金」と「特別分配金」があります。これらは「分配金をどこから支払うか」が異なります。
普通分配金は、運用によって生じた収益から支払われるので投資家にとっては利益となるため課税対象です。
「特別分配金」は投資家一人ひとりの個別元本をから支払われるため、「元本払戻金」とも呼ばれます。
これは自分が投資した元本が戻ってきただけであり、税法上の利益には当たらないため税金はかかりません。
特別分配金がある投資信託をタコ足分配型とも言うのですが、
こちらに関してはまともな商品ではないので商品設計がこのような商品の場合はじめないのが得策です。
株式投資で受け取る利益の一つに「配当金」があります。分配金と配当金は名前が似ていますが、仕組みが異なるため注意が必要です。
株式投資では、企業に対して資金を投じます。企業が得た利益の一部を投資家(株主)に支払うものが配当金です。配当金は企業の資産から支払われるため、投資家の運用資金には影響しません。
投資信託では株式の配当金や債券の利息、売買差益などが利益に当たります。分配金は、その利益を投資家の持ち分に応じて分配するものです。あらかじめ決められた分配金額よりも運用利益額が少なかった場合は、個別元本を削って特別分配金が支払われることになります。
→運用が上手くいってない場合でも上手くいってるように初心者は錯覚する。
投資信託には、分配金を受け取るか再投資するかを選べるものがあります。
分配金を現金で口座に払い出すものを「受取型」、同じ投資信託を自動で追加購入するものを「再投資型」と呼びます。ほとんどの証券会社ではどちらかを選択できますが、中にはどちらか一方しか扱っていないところもあります。
再投資を選んだ場合は、複利効果を得られます。
原則資産形成期の投資信託を利用するのであれば分配金再投資型がおすすめです。
複利とは、投資によって発生した利益を元本に組み入れ、合計額を新しい元本として運用する際の計算方法です。
預貯金口座なども、定期的に利息が加算されていく複利で運用されています。
普通分配金は、受け取っても元本が得ることはありません。
したがって分配金を再投資すると、その分運用資金が増えます。
運用資金が多いほど、運用効率の向上が期待できます。
運用期間 | 1年 | 2年 | 3年 | 4年 | 5年 | 10年 | 15年 | |
再投資型 | 12万円 | 24万円 | 37万円 | 50万円 | 64万円 | 139万円 | 226万円 | |
受け取り型 | 個別元本 | 12万円 | 24万円 | 36万円 | 48万円 | 60万円 | 120万円 | 180万円 |
分配金 | 1,664円 | 5,314円 | 8,964円 | 12,614円 | 16,263円 | 34,513円 | 52,763円 | |
※積立金毎月1万円・年利3%/分配金年一回・利益相当分 税金手数料に関しては考慮していません。 |
例えば投資信託で毎月1万円ずつ積み立てて、分配金を受け取った場合と再投資した場合の運用効率はどう変わるでしょうか。
1年目は、積立金12万円+利益1,664円で同額です。受取型は、ここで利益分を分配金として受け取ります。
その分運用資金が減り、2年目の運用成果は再投資型よりも1,714円少なくなっています。
最初に受け取った分配金(1,664円)と合わせても51円届きません。
小さな差ですが5年、10年、15年と長く運用するほど、また投資金額が大きくなるほどその差は広がります。
ここまでは、「分配金がある」投資信託の分配金の受け取り方について説明してきました。
しかし投資信託の中には、解約・売却時あるいは償還(満期)まで分配金が出ないものもあります。
分配金がない投資信託では、「受取型」「再投資型」を選択することはありません。
運用利益は自動的に元本に組み込まれていき、複利効果と運用効率を高めることができます。
受取型・再投資型にかかわらず、決算で分配金が生じた時点で利益は確定しています。
特別分配金部分は非課税ですが、普通分配金には約20%の所得税がかかります。
例えば1,000円の普通分配金が支払われた場合、再投資に回す金額は納税後の約800円になるということです。
「分配金なし」の場合は、売却するまでは利益が確定しません。
もちろん売却時に利益に対する税金を支払うことになりますが、再投資型よりも運用効率は良くなります。
分配金を受け取るつもりがない人は、分配金なしの投資信託を選ぶのもよいでしょう。
ただし、状況に応じて受取型と再投資型を使い分けることができないというデメリットがあります。
投資信託の運用で成功のコツは、分散・積立・長期です。
さまざまな金融商品を組み込み、銘柄や金融商品の種類を分散することで、リスクを低減することができます。
また、毎月定額をコツコツと積み立てるため購入タイミングの分散効果もあり、購入価格の平均化も図れます。
無理のない積立金額で「細く長く」が、投資信託運用のコツといえるでしょう。
「今」始めれば、最も長く運用できることは明らかです。
※投資は自己責任です。投資における最終判断は第三者からの指摘ではなくご自身の決断でお願いいたします。
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