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所得控除とは?各種控除について詳しく解説

所得控除、税額控除は税金の支払いを軽くしてくれる制度です。

恩恵を十分に受け取るためにも今回は所得控除の特徴や違いについて詳しく見ていきましょう。

所得控除の特徴

それぞれの解説に入る前にまずは所得税の計算方法を解説します。

所得税は国民一人一人の1年間の所得(稼いで手元に残ったお金の合計)に対して掛けられる税金の事であり、その計算方法は、

  1. (総所得-所得控除)×税率=算出税額
  2. 算出税額-税額控除=実際に支払う金額

で求められます。支払う金額を抑える方法として所得控除と税額控除が設けられています。

まず所得控除は14種類あり、

  1. 基礎控除

    • 受けるのに条件は必要なく、だれでも受けることのできる控除です。控除額は令和2年6月現在、以下のようになっております。
    • 納税者の合計所得 控除額
      2,400万円以下 48万円
      2,400万超~2,450万円以下 32万円
      2,450万円超~2,500万円以下 16万円
      2,500万円超 0円
  2. 医療費控除

    1. 自分、もしくは養っている家族が病院で治療を受けた時に受けられる控除で、以下の計算で導き出されます。
      • 支払った医療費ー受け取った保険金―10万円=控除額
  3. 雑損控除

    • 自然災害、盗難、横領によって資産が被害を受けた時に適用されます。控除に該当するのはその3種のみで、その他詐欺や恫喝などによって出た被害については対象外です。
    • 住宅や家財、現金など本人の生活に必要な生活財産の損害に限り適用され、30万を超える、貴金属や骨とう品など生活に直接必要だと思われないものは控除対象外になります。
      • 実際の損失額ー総所得金額×10%
      • 災害関連の支出―5万円
    • このどちらか金額の高い方が適用されます。なお、その年の所得から控除しきれない額がある場合は3年を限度に繰越ができます。
  4. 寄付金控除

    • 有名なふるさと納税はこのジャンルになります。国や地方公共団体に寄付をすることで、寄付した金額の一部を所得から控除することが出ます。なお、寄付先はあらかじめ定められているので、どこでもいいというわけではありません。
    • 控除額は以下2通りのうち、どちらか金額の低い方から2,000円を引いた額が適用されます。そのため、最低でも2,001円以上寄付していなければ控除を受けることはできません。
      • その年の寄付金合計額
      • その年の総所得の40%
  5. 生命保険料控除 

    •  生命保険で支払った金額に応じて控除を受けられます。対象となる保険は、「一般生命保険」「介護医療保険」「個人年金」の3種類で、それらに支払った保険料が所得から引かれます。ただし、外資系保険に国外で契約した場合など例外もあるので注意が必要となってきます。控除額は保険を契約した時期によって計算が違ってきており、新と旧に分かれます。
    • 新(平成24年1月1日~)
    • ~20,000円 支払った保険料全額
      20,001円~40,000円 保険料×2分の1+10,000円
      40,001円~80,000円 保険料×4分の1+20,000円
      80,001円~ 40,000円(固定)
    • 旧(~平成23年12月31日)
    • ~25,000円 保険料全額
      25,001円~50,000円 保険料×2分の1+12,500円
      50,001円~100,000円 保険料×4分の1+20,000円
      100,001円~ 50,000円(固定)
    • 保険契約を途中で転換したときなど、新旧どちらにも該当する場合、保険料の年間支払額が6万円に達するかどうかで控除額が変わります。超える場合は旧(上限5万)、以下の場合は新と旧を合わせた金額(上限4万)になります。
    • 保険を複数契約している場合には、各保険で上記の計算で控除額を算出、その合計額が控除されることとなります。上限は12万円です。
  6. 地震保険料控除

    • 地震保険とは、「地震、噴火またそれによる津波が原因で起きた、火災、損壊、埋没または流失による建物や家財の損失を補償する保険」で、その保険に支払った保険料の額に応じて控除が受けられます。
    • 元々は「損害保険料控除」として火災保険や傷害保険なども控除の対象に入っていましたが、今現在は地震保険だけが控除の対象となっています。例外として、一定の条件を満たす損害保険については地震保険料控除の対象とすることができます。以下その条件です。
      • 平成18年12月31日までに契約が締結されている(平成19年以降に始まる契約は控除対象外)
      • 満期返戻金などがあるもので、保険・共済期間が10年以上
      • 平成19年1月1日以降契約の変更を行っていない
    • 地震保険料控除額
    • 支払った額 控除額
      ~50,000円 支払った全額
      50,001円~ 50,000円(固定)
    • 他長期損害保険料控除額
    • ~10,000円 支払った全額
      10,001円~20,000円 支払金額×2分の1+5,000円
      20,001円~ 15,000円(固定)
    • 両方ある場合、それぞれの産出額の合計が控除されます。(上限5万)
      また、一つの契約に地震保険、長期損害保険の両方が含まれている場合、どちらを適用させるか選ぶことができます。
  7. 配偶者控除

    • 配偶者がいる場合に受けられる控除です。配偶者とは以下の条件に該当する人物の事です
      • 法律上の婚姻をしていること
      • 納税者と生計が同じにしていること
      • 年間所得が48万円以下であること(所得が給与のみの場合は103万円以下であること)
      • 青色申告者の事業専従者としてその年に給与の支払いを一度も受けていないこと、または白色申告者の事業専従者でないこと
      • 納税者のその年の所得金額が1,000万円以下であること
    • 控除額
    • 納税者の合計所得 一般控除対象配偶者 老人控除対象配偶者(その年12月31日時点で70歳以上)
      ~900万円 38万円 48万円
      900万円超~950万円以下 28万円 32万円
      950万円超~1,000万円以下 13万円 16万円
  8. 配偶者特別控除

    • 配偶者の所得が48万円を超えている場合に受けられる控除のことです。夫婦間で相互に受けることはできません。配偶者特別控除には配偶者控除の条件とほぼ同じですが、「年間所得が48万円超~133万円以下であること」に変更されています。
    • 控除額
  9. 扶養控除

    • 子どもや親を養っている時に受けられる控除。その対象は
      • 配偶者以外の親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族)、都道府県知事から養育を委託された児童(いわゆる里子)や市町村長から養護を委託された老人を扶養していること。
      • 納税者と生計を同じくしていること
      • 年間の合計所得金額が48万円以下であること。給与所得のみの場合は給与収入が103万円以下であること
      • 青色申告者の事業専従者としてその年に給与の支払いを一度も受けていないこと、または白色申告者の事業専従者でないこと。
    • 控除額
    • 一般控除対象扶養親族(その年で16歳以上) 38万円
      特定扶養親族(その年で19~22歳) 63万円
      老人扶養親族(その年で70歳以上) 48万円
      同居老親等(老人扶養親族のうち、血がつながっていて日常的に同居している人) 58万円
  10. 社会保険料控除

    • 国民年金や健康保険など強制的に加入させられる保険についても一定の額が控除されます。
    • 控除額は対象となる保険に支払った保険料全額です。会社員の場合は給料や公的年金から差し引かれた分の額が対象です。
    • 控除対象
    • 国税庁ホームページより引用
  11. 小規模企業共済等掛金控除

    • 自営業などの個人事業主や中小企業の役員の多くは社会保険に入ることができず、退職金制度などもないことが多いです。そんな人たちのために、「小規模企業共済」が存在し、加入している人は控除を受けることができます。
    • 支払った掛け金の全額を控除することができます。対象となる掛け金は3種類あります。
      • 小規模共済の掛け金
      • 確定拠出年金法に規定する企業型年金または個人型年金の掛け金
      • 心身障碍者扶養共済制度の掛け金(地方公共団体が実施するもの)
  12. 障がい者控除

    • 一定の条件を満たした人に適用される控除です。障碍者と特別障碍者の2種類があり、一緒に住んでいる人にも適用される場合があります。
    • 障碍者に該当した場合は27万円、特別障碍者は40万円、特別障碍者と同居している場合、75万円が控除されます。
    • 条件
    • 障がい者 特別障碍者
      • 児童相談所、知的障害者更生相談所、精神保健福祉センター、精神保健指定医の判定により、知的障害者と判定された人
      • 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の規定により精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている人
      • 身体障害者福祉法の規定により交付を受けた身体障害者手帳に身体上の障害がある人として記載されている人
      • 精神又は身体に障害のある年齢が満65歳以上の人で、その障害の程度が「障害者」に準ずるものとして市町村長等や福祉事務所長の認定を受けている人
      • 戦傷病者特別援護法の規定により戦傷病者手帳の交付を受けている人
      • 精神上の障害によって事理を弁識する能力を欠く常況にある人
      • 知的障害者と判定された「障害者」のうち重度の知的障害者と判定された人
      • 精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている「障害者」のうち障害等級が1級の人
      • 身体障害者手帳に身体上の障害がある人として記載されている「障害者」のうち障害の程度が1級又は2級と記載されている人
      • 市町村長等や福祉事務所長から「障害者」の認定を受けている満65歳以上の人のうち特別障害者に準ずるものとして市町村長、特別区区長や福祉事務所長の認定を受けている人
      • 戦傷病者手帳の交付を受けている人のうち障害の程度が恩給法に定める特別項症から第3項症までの人
      • 原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律の規定により厚生労働大臣の認定を受けている人
      • 引き続き6ヶ月以上にわたって身体の障害により寝たきりの状態で、介護を受けなければ自ら排便等をすることができない程度の状態にある人
  13. 寡婦(夫)控除

    • 寡婦もしくは寡夫とは、配偶者と死別や離婚をしてその後、再婚していない人の事を指し、分かりやすく言えば、シングルマザー(ファザー)の事です。
    • 働きやすさの違いなどから男性は女性よりも控除を受ける条件が厳しめに設定されています。
    • 寡婦控除の条件(その年の12月31日時点)
      • 合計所得金額が500万円以下であること
      • 夫と死別・離婚していて再婚していないこと、または夫の生死が不明なこと
      • 扶養親族がいるか、生計を同じにしている子供がいること
    • このいずれかを満たせば27万円、すべての条件を満たす(扶養は子供のみ)と35万円の控除になります。
    • 寡夫控除の条件(12月31日時点)
        • 合計所得金額が500万円以下であること
        • 妻と死別・離婚していて再婚していないこと、または妻の生死が不明なこと
        • 生計を同じにしている子供がいること
      • この3つの条件をすべて満たすと控除の対象となります。控除額は27万円です。
  14. 勤労学生控除

    • 働きながら学校に通う人を対象にした控除です。所得のある人が特定の学校に通っている場合に一律で27万円を控除します。対象となる学校は所得税法で定められています。
    • 控除を受けるためには以下の条件をすべて満たさなければいけません
      • 勤労による所得があること
      • 合計所得金額が65万円以下(令和2年分以降は75万円以下)で、かつ、勤労による所得以外の所得が10万円以下であること
        ※給料収入の金額が130万円以内であれば、給与所得控除として65万円が控除されるため、他に所得がなければ合計所得金額は65万円以下となります。
      • 所得税法第2条第1項第32号に定められている学校の学生、生徒であること
        ※一般的な国公立や私立の小中高・大・高専などはほとんどの学校が勤労学生控除の対象になりますが、その他の学校(短大、専門・専修学校など)については対象外の学校もあるので注意が必要です。

まとめ

以上14種類が所得から引かれ、総所得が算出されます。総所得に税率をかけた額が所得税になります。
税額控除はこの所得税から直接金額を差し引きます。

他の制度にも言える事ですが、法令の改正などで控除額や計算方法が頻繁に変わります。なので、常に新しい情報が入ってくるようにしないと、思わぬところで控除を受けられず余分にお金を払ってしまうかもしれません。

めんどくさい、分かりにくいからと遠ざけたりせず、ちゃんと自分が利用できるものはとことん利用しましょう。

一点、注意しておいてほしいのが、所得控除はそのまま所得から差し引くので、例えば銀行で融資を受けたいとなったときに「所得が低い=収入が低い」と判断され、融資額が少なくなる、もしくは融資自体してもらえなくなる可能性があるので、やり過ぎには注意しましょう。

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